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4月なので特に深い意味もなく、タイトルを変えてみました。


by piccorina_k
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『対岸の彼女』

『対岸の彼女』_a0045300_12552913.jpg角田光代の『対岸の彼女』を読みました。★★★★
主人公は2人の女性、小夜子と葵。境遇や性格の違う2人の間に「オンナの友情」は成り立つかどうか。葵の高校時代の回想と小夜子の日常が交錯する形でストーリーが進みます。仕事に理解を示さない夫、まだまだ手のかかる娘、専業主婦に疲れた小夜子は娘を保育園に預け、心機一転、葵の経営する旅行会社に再就職します。おおらかで明るく気さくな葵に心を開く小夜子ですが、葵にはある過去がありました・・・
132回直木賞受賞。『対岸の彼女』←すごく良いタイトル!既婚で子供もいる<勝ち組>の小夜子と独身でキャリアウーマンの<負け犬>葵。すべてにおいて自分とは異なる“対岸の”相手に対して互いに羨望を感じるけれど、実は2人とも心のどこかに満たされないものを抱えていて小夜子と葵どちらにも共感してしまいます。友達・友情の域を出て人を理解することの難しさや大切さが描かれています。
作品の中で小夜子は何度も自分に「何のために歳を重ねるのだろう」と問いかけていました。大人になって、社会に出て仕事をしてなんとか日々を過ごしているけれど、私の中にはまだまだ成長しきれていない部分がたくさん残っているような・・・反省。
ドラマや小説に出てくるほど、現実の人間関係は単純ではなくて、親しさが増すほど微妙で複雑なものなんですよねぇ~でも、そんなあやういバランスの上に本当の友情は成り立つのだと思います。
by piccorina_k | 2006-01-22 12:58 | book