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4月なので特に深い意味もなく、タイトルを変えてみました。


by piccorina_k
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怒涛の伊坂ウィーク

怒涛の伊坂ウィーク_a0045300_1815675.jpg
私の中で空前絶後の伊坂幸太郎旋風が吹き荒れていました。
売れっ子芸能人級の睡眠時間で一気読み。この際、速読法を習得すべきかどうか真剣に悩むところです。
以下、読んだ順・・・



怒涛の伊坂ウィーク_a0045300_1256022.jpgラッシュライフ★★★
エッシャーの有名な騙し絵『上昇と下降』が表紙。その絵が物語のすべてを表現している面白いつくりになっています。無関係に思える5つの物語がそれぞれ展開しつつも最後は一つの騙し絵にピッタリとはまってしまうパズル的ミステリー。騙されないよう十分注意しながら読んでいるのに読み終わるとやっぱり騙されていて、しかも、それが全然嫌味じゃなくて面白い。

怒涛の伊坂ウィーク_a0045300_12561654.jpgチルドレン★★★★
5編で構成された“短編集のふりをした長編小説”。1つ1つは完結しているから短編集、でも1冊まるごと読むと確かに1つの長編のような・・・作者が長編小説だとコメントしているので、まっそういうことでひとつヨロシク。主人公の陣内は個性的でやることはメチャクチャ。でも、そんな陣内は自分に正直で大切なモノの優先順位がハッキリしているからすごく魅力的。


怒涛の伊坂ウィーク_a0045300_12563724.jpg魔王★★★★★
“超能力兄弟の物語”。不思議な力に目覚めた兄とその弟、二人は現代の日本政治に忍び寄るファシズムの影(魔王)と戦います。戦うとはいっても直接対決するのではない不思議な小説。サラリと軽く書かれた文章が内容の重さや暗さに不釣合いでそれがより一層不安を煽られます。兄の口癖は「考えろ、考えろ」そうだ!私も考えることをサボらないようにしよう!


怒涛の伊坂ウィーク_a0045300_1256497.jpg砂漠★★★
今のところ多分これが最新作・・・のハズ。大学生活という「オアシス」社会という「砂漠」、個性豊かな男女大学生5人組が「砂漠」に雪を降らせようと奮闘する青春小説。「青春=汗」そんな方程式が全然あてはまらないユルさが面白い。あー!私も彼らのように麻雀やアルバイトに明け暮れたい!
なんてことは、まるでない。


怒涛の伊坂ウィーク_a0045300_1257196.jpg死神の精度★★★★
人の生死を判定する死神と調査対象者達との6編。音楽をこよなく愛し、スタイリッシュなのにどこかトボけた死神は対象者が「死」に該当するか調査します。善人であれ悪人であれ報告は大抵「可」。そのビジネスライクで甘くない判定が物語をクールな印象に。昨日、CDショップでモスグリーンのジャケットを着たお洒落な男子を見掛けました。熱心に視聴していました。まさか・・・?!


怒涛の伊坂ウィーク_a0045300_12571746.jpg重力ピエロ★★★★★
連続放火事件と落書の謎を追う父親違いの兄弟とガンで余命わずかな父親。登場人物が全員魅力的でカッコいい♪会話もテンポ良くてこの作品が一番好き。哀しいラストでも読み終わってスッキリ爽やかな気分になれるってすごい小説。「終わりよければすべてよし」の精神?
by piccorina_k | 2006-03-11 13:04 | book